衝撃のアップセット！パトリシオ・ピットブルにKO勝利した鈴木千裕のこれまで

たった一夜で、日本人トップに躍り出た鈴木千裕選手。Bellator(ベラトール)の現役王者パトリシオ・ピットブルに1ラウンドKO勝利し、RIZIN史上最大のアップセットを起こしてみせました。

この記事では、これから要注目の鈴木千裕選手の経歴やプロフィールをご紹介していきます。

鈴木千裕プロフィール

2017年2月5日、17歳の頃にPANCRASE 284で総合格闘家としてプロデビュー。

PANCRASEで行われたフライ級ネオブラッド・トーナメントにて優勝を果すなど、順調かに思われた総合格闘家としてのキャリアでしたが、2018年12月9日のPANCRASE 302で行われる予定だった中村龍之戦を軽量オーバーでキャンセルしてしまいます。

当時の鈴木選手はまだ成長期で、体が成長する中で過度の減量を繰り返したことで過食症のような症状になっており、体調面などを考慮した上で、総合格闘技のキャリアを一時的に中断することを発表しました。

総合格闘家としてのキャリアを中断した鈴木千裕選手は、2019年5月26日、SHOOT BOXING 2019 YOUNG CEASAR CUP CENTRALにてキックボクシングデビュー戦を行います。

初戦を白星で飾ると、その後はKNOCK OUTに主戦場を移します。その後も順調に勝ち星を積み上げていき、KNOCK OUT-BLACKスーパーライト級王座決定トーナメントで優勝。

キックボクサーとしての鈴木千裕はフルスイングしながら突進していくような超ド派手なファイトスタイル。キックボクシング戦績全12勝中判定はわずか2試合のみと、圧倒的なKO率を誇ります。

2021年9月19日、22歳になった鈴木選手はRIZIN.30で総合格闘技に復帰し、キックボクシングとMMAの二刀流選手を目指すことを発表します。成長期を終えて約3年ぶりとなったMMAの復帰戦は、デビュー時のフライ級より2階級上のフェザー級で行うことになりました。

復帰戦の相手はベテランファイターの昇侍選手。鈴木選手はキックボクシングの試合と同様、リングが鳴ると同時にフルスイングしながら突進していきます。が、そこにうまくカウンターを合わされてしまいダウン。なんとわずか20秒でのKO負けとなってしまいました。

ほろ苦いMMA復帰戦となってしまいましたが、その後はRIZINでなんと5連勝。キックボクサーとして実績のある平本蓮から打撃でダウンを奪ってフルマークの判定勝利を収めたり、 ONEでの実績があり実力者として知られる中原由貴に1ラウンドでKO勝利するなど、どんどん頭角を現していきました。

そして「次の挑戦者にふさわしい、本物のファイターは千裕だけ」と当時RIZINフェザー級王者のクレベル・コイケに指名されるような形で、タイトル戦が決定。

初めてのRIZINタイトルマッチでは、試合前にクレベル・コイケが400gの軽量オーバーをしてしまうというトラブルに見舞われましたが、鈴木選手がそれを受け入れ、試合が行われることになりました。

しかし結果は1R2:59、アームバーで敗北(クレベル体重超過の為、公式記録はノーコンテスト)

クレベル・コイケの寝業を警戒しすぎるあまり慎重になってしまい、打撃でも実力を発揮できないまま悔いが残る決着となってしまいました。

大きな挫折を味わった鈴木選手ですが、その約1ヶ月に開催された超RIZIN2で欠場者が相次いだことにより緊急参戦することに。相手はなんとBellatorの現役フェザー王者、パトリシオ・ピットブル。

この試合が発表された時はここまでの格差カードを組むのかとRIZINに対する非難すらあったほどでしたが、結果はご存じのとおり、衝撃的なKO勝ちとなりました！

「負ける勇気を持って勝ちに行った」と試合後に語ったとおり、あのパトリシオ・ピットブルを相手にまったく怯むことなく、積極的に自分から攻めて掴んだ勝利でした。

まだ公式には発表されていませんが、パトリシオがこのように呟いているので今後Bellatorでタイトルマッチが組まれる可能性が高そうです

パトリシオ・ピットブルに勝利するまでは「RIZINの中堅選手」と揶揄されたりもしていた鈴木選手ですが、たった一夜でそんな評判を全て覆し、一気にBellatorのタイトルマッチまで駆け上がるという偉業を見せてくれました。

格闘技の面白さがつまったような最高のスカ勝ちを届けてくれた鈴木選手の今後に要注目です！