キャッチフレーズに入っている地名の規模感と強さの相関分析

キャッチフレーズに入っている地名の規模感と強さの相関分析

征矢貴選手のYOUTUBEで「松戸の不死鳥、の『松戸』っている?」というテーマがありました。


「日本のラフダイヤモンド(神龍誠)」「史上最強のメイドインジャパン(堀口恭司)」と並べると、「松戸」という地域の規模感が小さすぎるとのこと。

大変面白い視点だと思ったので、今回はキャッチフレーズの規模感と強さに関係があるのかどうか分析してみました!

地名由来のキャッチフレーズ一覧

まずはDATA MMAに登録されている選手の中で、地名由来のキャッチフレーズを持つ選手をリストアップしました。

なお今回は国内の地名のみを対象とします。

キャッチフレーズ選手名地名
日本格闘技界・影の王者金原 正徳日本
日本人初の世界女王浜崎 朱加日本
日本ヘビー級最後の砦シビサイ 頌真日本
日本のラフ・ダイヤモンド神龍 誠日本
史上最強のMade In JAPAN堀口 恭司日本
北斗のグラップラー山本 空良北海道
北海の宮本武蔵後藤 丈治北海道
北の女武芸者熊谷 麻理奈北海道
北陸の牛若丸村元 友太郎北陸
三重の処刑人NavE三重
越後のRSCL阿部 大治新潟
濃厚バリカタサブミッション野瀬 翔平福岡
修羅の国の一撃マン押忍マン洸太福岡
尾張のウォーズマン伊藤 裕樹尾張
尾張の狩人金田一 孝介尾張
浪速のトリックスター白川 陸斗大阪市
世界が恐れるナニワの侍前田 吉朗大阪市
絶対にすべらないナニワ拳法中村 優作大阪市
八王子市役所のスイーパー徳留 一樹八王子市
松戸の不死鳥征矢 貴松戸市
壬生の大蛇福田 龍彌壬生町
足立区のバカストイックマン牛久 絢太郎足立区
豊見城の狂戦士渡慶次 幸平豊見城町

地名由来のキャッチフレーズを持つ選手は合計23名。
「濃厚バリカタサブミッション(野瀬翔平選手)」についてはキャッチフレーズ内に直接的な地名は入っていませんが、福岡を指していると考えられるため地域由来としてカウントしています。

次にこれを
・市区町村
・都道府県、地域
・国

の3つの規模感に分けて見ていきましょう。

なお、「北陸の牛若丸(村元友太郎選手)」をどこに入れるか悩みましたが、今回は都道府県グループと合わせて「都道府県、地域」とすることにしました。

キャッチフレーズ一覧はこちら

市区町村がキャッチフレーズに入っている選手の勝率:66%(178勝91敗)

市区町村がキャッチフレーズに入っている選手は合計10名。「松戸の不死鳥」こと征矢選手はこのグループに入ります。

キャッチフレーズ選手名勝ち数負け数勝率地名人口
尾張のウォーズマン伊藤 裕樹16576%尾張5,181,173
尾張の狩人金田一 孝介11285%尾張5,181,173
浪速のトリックスター白川 陸斗11955%大阪市2,691,000
世界が恐れるナニワの侍前田 吉朗391967%大阪市2,691,000
絶対にすべらないナニワ拳法中村 優作191066%大阪市2,691,000
八王子市役所のスイーパー徳留 一樹201263%八王子市577,500
松戸の不死鳥征矢 貴 12667%松戸市483,500
壬生の大蛇福田 龍彌22873%壬生町39,160
足立区のバカストイックマン牛久 絢太郎21970%足立区692,700
豊見城の狂戦士渡慶次 幸平71139%豊見城市61,610
合計178勝91敗66%

「なにわ」にちなんだニックネームが多い

市区町村の中では「なにわ(浪速、浪花、ナニワ)」が多いこともわかりました。今回は「なにわ」は現在の大阪市として扱います。
「世界が恐れるナニワの侍」(前田吉朗氏)に関しては、「世界」という単位も入っていますが、あくまで本人を形容しているのは「ナニワ」の部分であるとします。

なおRIZIN LANDMARK9神戸大会のPR動画内で萩原京平選手が一度だけ「浪速のギャングスター」と呼ばれていたことがありますが、以降一度も使われている様子がないため今回はノーカウントとします。

地域、都道府県がキャッチフレーズに入っている選手の勝率:62%(91勝56敗)

地域、都道府県がキャッチフレーズに入っている選手は合計8名

キャッチフレーズ選手名勝ち数負け数勝率地名人口
北斗のグラップラー山本 空良12860%北海道5,281,000
北海の宮本武蔵後藤 丈治15768%北海道5,281,000
北の女武芸者熊谷 麻理奈5550%北海道5,281,000
北陸の牛若丸村元 友太郎12860%北陸4,948,634
三重の処刑人NavE161159%三重1,782,000
越後のRSCL阿部 大治13765%新潟810,200
濃厚バリカタサブミッション野瀬 翔平12571%福岡5,109,000
修羅の国の一撃マン押忍マン洸太6555%福岡5,109,000
合計91勝56敗62%

都道府県の名前がそのまま入っているのは「三重の処刑人」ことNave選手のみであり、ほかのキャッチフレーズは、古い地名だったり、地名を暗喩するような表現に留まります。
あまりにはっきりと都道府県名を入れてしまうと、キャッチフレーズとして雰囲気やバリエーションを出しづらいのかもしれません。
また市区町村で使われた地名と、都道府県単位で使われる地名が全くかぶっていないということもわかりました。

都道府県単位だと北海道が多い

  8名中3名が北海道にちなんだキャッチフレーズでした。
北海道出身の選手に注目してみると、DATA MMA内に登録されている中で、北海道出身かつキャッチフレーズが付いている選手は合計6名。そのうち3名に「北海道」を意味するフレーズがつけられているので、地名由来キャッチフレーズ率はなんと驚異の50%
他の都道府県とは比較にならないほどの確率です。都道府県としての印象が強いということかもしれません。  

「日本(JAPAN)」がキャッチフレーズに入っている選手の勝率:79%(113勝29敗)

最後に「日本」または「Japan」という言葉がキャッチフレーズに入っている選手をリストアップしました。
DATA MMA内に登録された選手の中で、「日本(JAPAN)」がキャッチフレーズに入っている選手は合計5名

以下の一覧の通り、国という壮大な規模にふさわしい納得のラインナップです。

キャッチフレーズ選手名勝ち数負け数勝率地名人口
日本格闘技界・影の王者金原 正徳291369%日本125,100,000
日本人初の世界女王浜崎 朱加24680%日本125,100,000
日本ヘビー級最後の砦シビサイ 頌真10377%日本125,100,000
日本のラフ・ダイヤモンド神龍 誠17289%日本125,100,000
史上最強のMade In JAPAN堀口 恭司33587%日本125,100,000
合計113勝29敗79%

またこのグループは他のグループと比較して、平均試合数が多いことも特徴です。

キャッチフレーズの規模と強さの関係

それぞれのグループの平均勝率は以下の通り。

  1. 市区町村グループの平均勝率:66%(178勝91敗)
  2. 地域、都道府県グループの平均勝率:62%(91勝56敗)
  3. 日本グループの平均勝率:79%(113勝29敗)

日本グループの勝率が圧倒的に高いことがわかりました。
一方、市区町村、都道府県になると若干の差で市区町村グループの方が高いようです。

人口と勝率の相関関係

最後に、キャッチフレーズに含まれている地域の規模と勝率に相関があるのかを調べてみました。
規模を測る指標として、今回は人口を用いることにします。

相関係数は0.58。相関係数からすると、やや相関ありと言ってもよいかもしれません。(※1)
この式をもとにすると、戦績が1%上がると、キャッチフレーズの規模(人口)が約260万人増える、と言えるかもしれません。
以上、キャッチフレーズに入っている地名の規模感と強さには、若干相関関係があるかも、という検証結果でした!

  ※1:決定係数=0.34のためこの式は当てはまりがよくないと考えられます。

キャッチフレーズクイズや一覧はこちら

地名由来以外も含むキャッチフレーズ一覧はこちらにまとめています。

自信がある方はぜひキャッチフレーズ当てクイズにも挑戦してみてください!