UFCチャンピオンの傾向分析

UFCチャンピオンの傾向分析

UFCのチャンピオン達は、その他の選手達と比べてどのような特徴があるのか分析しました。

今回は
①「チャンピオングループ」 と 「その他の選手グループ」
②「トップ5位以内の選手グループ」 と 「5位以下の選手グループ」
の2パターンに分けて比較しました。

2021年時点でのデータを使用しているため少し古い情報になりますが、どのような特徴や背景を持つ選手がチャンピオンになる傾向が高いのかという観点では参考になるかと思います!

各階級のチャンピオン一覧(2021年時点)

階級選手名
フライ級ブランドン・モレノBrandon Moreno
バンタム級アルジャメイン・スターリングAljamain Sterling
フェザー級アレクサンダー・ヴォルカノフスキーAlexander Volkanovski
ライト級チャールズ・オリベイラCharles Oliveira
ウェルター級カマル・ウスマンKamaru Usman
ミドル級イスラエル・アデサンヤIsrael Adesanya
ライトヘビー級グローバー・テイシェイラGlover Teixeira
ヘビー級フランシス・ガヌーFrancis Ngannou
階級選手名
女子ストロー級ローズ・ナマユナスRose Namajunas
女子フライ級ヴァレンティーナ・シェフチェンコValentina Shevchenko
女子バンタム級女子フェザー級アマンダ・ヌネスAmanda Nunes

勝率で比較

①チャンピオン VS その他の選手

平均勝率標準偏差
チャンピオン(champ=1)85%8%程度
それ以外(champ=0)76%10%程度

(※標準偏差は平均からどれだけばらついているかという意味)

チャンピオングループの勝率は85%プラスマイナス8%(93%~77%)程度の範囲に収まっており、それ以外の選手グループの勝率は76%プラスマイナス10%(86%~66%)くらいの範囲に収まっていることがわかりました。

平均勝率においては9%程度差があり、また勝率のばらつき(標準偏差)についてもチャンピオングループの方がばらつきが少ないことがわかりました。

【有意差の検定】
チャンピオングループとその他の選手グループには勝率に差があることがわかりましたが、ここでこの平均の差が統計的に「差がある」と言えるレベルなのか、または誤差の範囲内なのかを確かめます。
統計的に意味のある差を「有意差」と言います。

有意差があるか否かを検定で確認してみると、有意差あり(P値0.002)という結果が出ました。

よって、チャンピオングループとその他グループには、9%程度平均勝率に明確な差があることがわかりました。

②トップ5位までの選手 VS 5位以下の選手

次に上位5位までの選手グループとそれ以下のグループに分けて、違いを検証しました。

上位5位以内の選手の平均勝率は80.56%、それ以外の選手の平均勝率は75.72%。

標準偏差でみると上位選手は80.56%プラスマイナス7%(87%~73%)くらいの範囲に収まっており、5位以下の選手は75.72%プラスマイナス10%(85%~65%)くらいの範囲に収まっていることがわかりました。

こちらも5位以上の選手グループの方が平均勝率の範囲が狭いことがわかりました。

こちらも有意差があり(P値は0.000159)、上位5位以内の選手グループと、それ以下の選手グループの間には、約5パーセント程度、明確に勝率の差があるといえます。

平均勝率標準偏差
5位以上(top=1)80.56%7%程度
5位以下(top=0)75.72%10%程度

平均年齢で比較

①チャンピオン VS その他の選手

チャンピオンの平均年齢は32.92歳で、それ以外の選手の平均年齢は31.09歳。チャンピオンの方が平均年齢が高いことが判明しました。ですが有意差の検定を行うと有意差は0.123ということで、誤差の範囲内であるとも言える程度であることがわかりました。

よって、チャンピオンはそれ以外の選手と比較して平均1.83歳年齢が上である傾向がある、と言えます
ただ今回の平均年齢の調査は全階級が対象になっていますが、階級で分けてみると少し違った結果が出るかもしれません。(軽い階級の方が年齢が若い傾向にありそう)

平均年齢標準偏差
チャンピオン(champ=1)32.92歳3.6歳程度
それ以外(champ=0)31.09歳4歳程度

②トップ5位までの選手 VS 5位以下の選手

トップ5位以上の選手グループの平均年齢は32.55歳で、5位以下の選手グループの平均年齢は30.95歳。
年齢差としては①の比較とそこまで変わらない結果が出ましたが、同様に有意差の検定を行うと、こちらはP値が0.0023となり、統計学的に差があると言えることがわかりました。

平均年齢標準偏差
5位以上(top=1)32.55歳3.3歳程度
5位以下(top=0)30.95歳4.1歳程度

勝率をヒストグラムで可視化

最後に、勝率をヒストグラムにしてみました。
緑の棒が5位以内の選手グループで、赤色の棒が5位以下の選手グループの勝率です。

例えば身長や成績など、自然発生する事象は正規分布といって、こういったグラフにしたとき山形になることが多いと言われていますが、例にもれず5位以下グループのUFC選手たちの平均勝率もすごくきれいな正規分布になりました!
5位以上グループはデータ数が少ないからか、ちょっとばらついて見えますね。

※縦軸がデータ数、横軸が勝率

まとめ

「チャンピオングループ」 と 「その他の選手グループ」では勝率に約9%程度差があり

「トップ5位以内の選手グループ」 と 「5位以下の選手グループ」では、勝率に約5パーセント程度、明確な差があるとこがわかりました。

また平均年齢で比較すると、上位選手の方が、約1.8歳程度年齢が上である傾向があることもわかりました。